『エッセンシャル思考』で時間と人生を再設計する

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ごん太
ごん太

“できる人”が陥る罠から抜け出す鍵は“選ぶ力”にあります。

「やることが多すぎる」「断れない」「時間が足りない」。

そんな現代人の悩みに対して、著者グレッグ・マキューンは「本当に重要なことだけを選び取る」思考法を提案します。

エッセンシャル思考とは、選択・集中・排除を通じて、自分の人生を自分でデザインするための哲学です。

特に管理職や発信者のように“できる人”ほど、やることが増え、時間が奪われがちです。そんな人こそ、この本に出会うべきだと私は感じました。

書籍情報

  • 書籍名:エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
  • ジャンル:ビジネス/自己啓発
  • 筆者:グレッグ・マキューン
  • 出版社:かんき出版
  • 出版年:2014年11月17日

『エッセンシャル思考』との出会い

私がこの本を手に取ったのは、管理職になりたてのときでした。

今までの開発業務に加えて、組織の管理、さらに新任管理職として「断れない」依頼が積み重なっていた頃でした。

毎日が一瞬で過ぎ去るような忙しさのなか、「これでいいのか?」と疑問を持ち始めていたのです。

今でも、管理職として、若手支援やチーム運営に携わる中で、「これは本当に必要なのか?」と立ち止まる機会があります。

そんなとき、今でも役立つのが、『エッセンシャル思考』の考え方でした。

心に響いた箇所

成功のパラドクス

グレッグ・マキューン,『エッセンシャル思考』,30ページ

大体の場合、仕事ができる人、成果を出している人が管理職になります。

それは当然の流れのように見えますが、ここに落とし穴があるのです。

その人が、今までの“プレイヤーとしての仕事”をそのまま持ち込んでしまうと、本来の役割である「チームビルディング」や「将来づくり」が疎かになります。

結果として、組織は徐々に崩れていく。

この構造に、私自身も思い当たる節がありました。

若手支援の現場で、「自分がやったほうが早い」と思って手を出しすぎてしまったこと。

優秀であるがゆえに、手放せない。

でも、それが組織形成を妨げてしまう。

この“成功のパラドクス”は、管理職にとって非常に根深い問題だと感じます。

忙しい時間から離れ、自分でいられる時間をつくろう

グレッグ・マキューン,『エッセンシャル思考』,94ページ

スケジュールが埋まっていると、なんとなく充実している気がします。

でも、それは“何かに追われている状態”でもあります。

私にとって、noteやブログは“自分時間”です。

誰にも邪魔されず、考えを整理し、問いを立て、読者と対話する時間。

この余白の時間で考えたことが、仕事でもふとした瞬間に役立つことが多々あります。

たとえば、若手との面談で「この問い、noteで書いたな」と思い出すこともあります。

余白は、ただの休息ではなく“準備”なのです。

忙しさを感じたときこそ、余白をつくる。

それが、自分の軸を取り戻す第一歩だと感じています。

たった一つのことしかできないとしたら何をするか

グレッグ・マキューン,『エッセンシャル思考』,159ページ

この問いに真剣に向き合うと、意外に“やらなくてもいいこと”に時間を使っていたことに気づきます。

「全部やらなきゃいけないんですよね」という言葉をよく聞きますが、それは“考えていない”状態なのかもしれません。

  • それをやらないとどうなるか?
  • どんなまずいことが起きるか?
  • 将来のリスクは?自分だけでなく、まわりや顧客のリスクは?

こうした視点で考えると、やるべきことは絞れてきます。

特に「顧客が必要としているから」という言葉。

これは一見、正しそうに聞こえますが、実は思い込みであることも多い。

顧客は、必要ないものをわざわざ要求することは少ない。

だからこそ、「本当に必要か?」を冷静に見極める視点が必要なのです。

この問いは、noteやブログのテーマ選びにも通じます。

「読まれそうなネタ」ではなく、「自分が本当に書きたいこと、価値を感じること」を選ぶ。

それが、読者との本質的な対話につながるのだと感じています。

やりたいことを見つけるには、こちらの書籍も参考になります。

『エッセンシャル思考』がくれた気づき

この本を読んで、私は「時間の使い方は、自分の価値観の表れである」と気づきました。

特に管理職は、やることが多くなりがちです。

しかし、それは本当に“やるべきこと”なのか?

「イエスを焦り、ノーを渋る」(P180)という言葉には、思わずうなずいてしまいました。

ノーと言い続けると信頼関係が揺らぐこともありますが、だからこそ「ノーを言っても揺るがない関係性」を築くことが重要なのだと思います。

また、「鼻息ばかり粗い企画は、そのまま企画倒れになる」(P244)という指摘も印象的でした。

着眼大局、着手小局。

小さな成功を積み重ねることが、結果的に大きな成果につながる。

noteやブログの世界でも、派手な成果を求めて始めた人ほど、途中で挫折してしまう傾向があります。

やりたいことは、派手でなくてもいい。

自分が続けられること、心からやりたいと思えることが大切なのです。

まとめ

この本は、こんな方におすすめです:

  • 管理職として、やることが増えすぎていると感じている方
  • 「全部やらなきゃ」と思い込んでいる方
  • 自分の時間を取り戻したいと感じている方
  • noteやブログで「何を書くべきか」に迷っている発信者の方

『エッセンシャル思考』は、単なる時間術ではありません。

それは「自分の人生を、自分で選び取る」ための哲学です。

私たちが本当に大切にしたいものに、時間とエネルギーを注ぐために、この一冊は背中を押してくれる存在です。

そして、非エッセンシャルな項目に思い当たることが多かった私は、少し不安を覚えました。

だからこそ、自分の身の回りだけでなく、より広い組織でエッセンシャルな思考が必要だと強く感じています。