前回で、「SMART目標の立て方」について記事にしました。今回は、そのSMART目標をさらに「ストレッチ」させることによる効果に焦点を当てます。
日頃、メンバーの計画や目標を確認していると、多くの場合、過去の前例を踏襲した目標が主流になっているように感じます。そのことを確認すると「はい。前回の結果を参考にして考えました!」と答えてくれます。
ただ、皆さんは同じことを繰り返していて、本当に成長している実感がありますか?
この記事では、刺激を変えることで得られる成長の効果について掘り下げていきます。新たなチャレンジを通じて、自己成長を実感する方法を一緒に考えたいと思います。
QCD目標とは
すでにご存じかもしれませんが、改めてQCD目標について解説します。QCDは、目標を明確かつ効率的に設定するための3つの基本要素を指します。
- Q(品質/Quality)
成果物やサービスの質をどのように高めるか。
例:ミスを減らす、顧客満足度を向上させる。 - C(コスト/Cost)
必要なリソース(時間、お金、人手など)を最小限にしつつ最大の効果を目指す方法。
例:予算削減、効率的な作業手法の導入。 - D(納期/Delivery)
目標を期限内に達成するために計画を明確化。
例:スケジュールの細分化や進捗管理。
これら3つの要素を軸にすることで、効率的かつ効果的な目標設定が可能になります。
QCDを軸にしたストレッチ目標の具体的な立て方
QCDのフレームワークを利用し、少しだけストレッチした挑戦的な目標を考えてみます。
- Q(品質)をストレッチする場合
例:過去の品質基準を1段階引き上げ、より高い満足度を目指す。- 顧客アンケートの満足度を80点から90点に向上させる。
- 以前は時間切れで断念した新機能を今回の目標に加える。
- C(コスト)をストレッチする場合
例:リソース効率をさらに向上させる方法を模索しつつ、新しい視点を入れる。- 全体予算を10%削減しながら成果を出す方法を考える
- 顧客視点でのコスト削減も目標に加え、双方にメリットを生む結果を目指す。
- D(納期)をストレッチする場合
例:従来よりも短い期間で同様の成果を達成する計画を立てる。- 過去の取り組みで躓いた部分を反省点として活かし、その分短縮した計画を策定する。
- 従来バッファとしていた期間を、前回より少なく見積もる。
これらのストレッチ目標を設定することで、「今までできたこと」に囚われず、成長の余地を広げることが可能です。
まとめ:挑戦を通じて新しい成長へ
あなたが最も成長を実感できる瞬間は、これまで経験したことのない挑戦や取り組みに直面したときです。逆に、同じことを繰り返しているだけでは、成長は停滞してしまいます。
意図的に刺激を加え、新しいことに挑戦することで、成長を深く実感できるはずです。成長とは、「上手くなること」だけではありません。「自分に合わない方法」「難しいやり方」を見つけ出すこともまた、成長の一部です。
チャレンジに失敗はありません。その過程が価値そのものなのです。ぜひ自信を持って、少しだけストレッチした目標に挑んでみましょう。それが未来の成長への第一歩となるはずです。