
課長、最近よく”ストレッチ目標”って言葉を聞くんですけど、これって結局、何なんですか?

いい質問ですね。
ストレッチ目標は、簡単に言えば「あと少しで届く挑戦」を盛り込んだ目標のことです。

それって、ちょっと無理そうな目標ってことですか?

“無理すぎず、でも簡単すぎない”。
そんな絶妙な背伸びを含んだ目標ですよ。
今日は、ストレッチ目標の具体的な立て方について、話しましょうか。
この記事をおすすめする方
- 過去の延長線上の目標にマンネリ感を抱いている方
- SMART目標をさらに活用し、成長角度を上げたい方
- チームや部下の成長を促したいマネージャー
- 自分の可能性をもっと広げたいと感じている方
この記事で何がわかるか
QCDの視点から、SMART目標をストレッチさせることで得られる成長の効果と、その具体的な立て方がわかります。
QCD目標とは?あらためておさらい
目標設計の柱となる「QCD」は以下の3つ。
- Q(品質):成果物の質を向上させる工夫
- C(コスト):限られたリソースで最大の効果を狙う視点
- D(納期):納期を守るための明確な計画
この3軸で目標をとらえることで、現実的かつ戦略的なチャレンジが可能になります。
ストレッチ目標とは何か?
単に“無理をする”ことではなく、「あと少しで届きそうな挑戦」を組み込んだ目標のこと。
前例に縛られず、ひと工夫を加えることで、いつもの結果が“成長の証”へと変わります。
繰り返しになりますが、「あと少しで届く」ことが大事です。
あまりに高い目標を設定してしまうと、達成による満足感とは全く逆で、できなかったことによるモチベーションダウンを起こしてしまう可能性もあります。
このようにならないために、SMART目標設定でもある「達成可能か?」をしっかり考えて目標設定することが必要になります。
QCDで考えるストレッチ目標の立て方
ご自身の業務と照らし合わせやすいように、職種別・背景別のシチュエーションを意識して具体化してみました。
【品質:Quality】
顧客への提供価値や成果物の質を、定量・定性の両面から高める挑戦
- カスタマーサポートの場合
顧客満足度アンケートのスコアを80点 → クレーム件数を月5件以下に抑えつつ90点へ - 製品開発の場合
「次期リリースに温めていた改善案を1つだけではなく3つ同時に実装する」 - 教育担当の場合
研修満足度90%維持+受講者の平均テスト得点を5点引き上げる
【コスト:Cost】
リソースを削らず、使い方を変える“賢いチャレンジ”
- 営業企画の場合
月間の販促費を10%削減しつつ、成約率を3%向上させる提案スキームを導入 - マーケティング担当の場合
従来の広告チャネルを1つ休止し、顧客インタビューで得た声をLP改善に活かすことで同等以上の効果を狙う - 人事・採用担当の場合
面接工数を20%削減しながらも、定着率の高い人材の採用比率を10%上げる
【納期:Delivery】
スケジュール管理力とチーム連携力が問われる“時間の挑戦”
- プロジェクトマネージャーの場合
これまで2週間かかっていたレビュー工程を1週間で完了させるワークフローを試験導入 - コンテンツ制作の場合
通常より1日早く初稿提出を目指し、構成のテンプレート化や画像選定基準の標準化を推進する - チームリーダーの場合
振り返りと共有会を前倒しし、「先回りした改善計画」を最初からスケジュールに組み込む
これらのストレッチ目標を設定することで、「今までできたこと」に囚われず、成長の余地を広げることが可能です。
ただし、ストレッチ目標が”立てて終わり”ではありません。
実行しながら改善を重ねていくためには、「PDCA」の考えが欠かせません
まとめ
変化や刺激を意図的に取り入れることが、成長の原動力になります。
「できるかどうか分からない…」という不安こそ、成長のチャンス。
その一歩を踏み出した時、視界はぐっと広がります。
あなたも「ちょっとだけストレッチした目標」、明日から立ててみませんか?

なるほど、ストレッチって”背伸び”のことだったんですね。
次の目標、ちょっとだけ高く設定してみます!

そうですね、その一歩が大きな成長につながりますよ。
頑張ってくださいね!