働き方が多様化し、キャリアのスタート地点も人それぞれとなったいま、組織にとっては「新人」「若手」「中途採用者」がどう成長し、どう戦力化していくかがますます重要なテーマになっています。
ですが、すぐに大きな成果が求められがちな現場では、「与えられた仕事をこなすだけで精一杯」と感じる声も少なくありません。
そんな状況の中で、単なる“即戦力”という枠を超え、自分らしいスタイルでチームに貢献している人たちがいます。その鍵になっているのが、「巻き込まれ力」です。
この記事をおすすめする方
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- 新しい職場に不安を感じながら飛び込んだ新人・中途採用の方
- 若手の可能性を引き出したいマネージャーや先輩社員
- 「待ち」の姿勢から抜け出し、もっと仕事を楽しみたい方
- 成長のきっかけを掴みたいすべてのビジネスパーソン
この記事で何がわかるか
この記事では、新人や若手が「与えられた仕事」だけにとどまらず、自ら活躍の場を広げるための考え方として「巻き込まれ力」という視点を紹介します。
「自分から動く」ことが難しい環境でも、周囲の困りごとや声に敏感になり、「自分にやらせてください」と言える勇気が、成長と信頼を引き寄せる鍵となります。
実例を交えながら、自分らしい一歩を踏み出すヒントが得られるはずです。
与えられた仕事を超えて、「自分の役割」をつくる
新人や中途で入った直後は、目の前の仕事を丁寧にこなすことが第一歩。
もちろんそれ自体が大切な信頼構築の基盤ですが、その「与えられた仕事」に慣れきってしまうと、「自分の価値を発揮する機会」が見えにくくなってきます。
いま求められているのは、ただの“即戦力”ではなく、自ら関わり方をつくっていく力。
そのためには、「次に何を求められているのか?」「自分だからできることは?」という問いをもって、仕事の受け手から担い手へと意識をシフトすることが大切です。
チャンスは“困りごと”にある|「巻き込まれ力」を磨く
新人や若手にとって、「自分から大きな仕事を取りに行く」のはハードルが高く感じられるかもしれません。
そこで意識してほしいのが、「巻き込まれ力」という考え方です。
これは、リーダーや先輩が発するちょっとしたサイン――「困ってるんだよね」「こういうことやってみたいんだけど」といった言葉に敏感になり、自ら「やらせてもらえませんか?」「手伝わせてください」と踏み込んでいく力です。
すべてを背負う必要はありません。
「一部だけでも挑戦させてもらえませんか?」というような丁寧な入り方でも、十分に力を発揮できます。
こうした関わりをきっかけに、存在感や信頼は自然と育ち、やがて「自分だからこそできる役割」へとつながっていきます。
信頼される人の共通点
私の職場にも、巻き込まれ力に長けた若手がいました。
彼は、日々の業務だけでなく、上司や先輩の「ちょっと困っていること」に耳を傾け、自ら声をかけてプロジェクトに入り込んでいきました。
その結果、多くの人とつながり、スキルや経験を積み重ね、誰からも頼られる存在へと成長していったのです。
彼に共通していたのは、「やってみます!」「一度考えてみますね!」と即座に前向きな言葉を返す姿勢。それにより、上司たちは自然と彼に声をかけるようになり、困ったときに最初に相談される存在となっていきました。
一方で、「それって自分の担当ですか?」「まず業務内容を精査してから…」と慎重すぎる人は、どうしても機会を逃しがちです。
違いはスキルではなく、姿勢と一歩踏み出す勇気にあります。
こうして彼は今、自らチームを動かす立場となり、次の若手を「巻き込ませる側」として活躍しています。その原点にあったのが、「巻き込まれ力」という「土台」だったのです。
まとめ
新人だから、経験が浅いからこそ、できることがあります。
「巻き込まれ力」を意識し、誰かの「困った」に自ら入り込んでいくことで、
信頼・経験・チームへの貢献といった大きな成果を手にすることができます。
まずは一歩、「それ、自分にやらせてもらえませんか?」と声にしてみましょう。
きっと、その一言がキャリアを大きく動かすスタートになるはずです。