プレゼンテーションの準備と聞くと、多くの人は「資料作成」と考えてしまいがちです。「資料」として分かり易いように、ロジカルな構成を確認したり、見やすいようにフォントを調整したりして「資料」としての完成度を高めていると思います。しかし、それだけでは、本当に伝わるプレゼンになるでしょうか?
今回は、プレゼンを単なる「資料作成」ではなく、価値あるプレゼントとして準備する考え方を紹介します。
プレゼンとプレゼントの共通点
プレゼントを贈るとき、贈り手は受け取る相手のことを想像しますよね。
どんなものなら喜んでくれるのか、どのような場面で使ってくれるかを考え、心を込めて選びますよね。
それと同じように、プレゼンの準備も聞き手を想像することが不可欠です。
- プレゼント: 相手が何を求めているのかを考え、最適なものを選ぶ
- プレゼン: 聞き手が必要としている情報を届け、適切な構成にする
それなのに、プレゼンでは相手を深く考えず、ただ資料を作ってしまっているように感じることが多くあります。
しかし、それでは伝わりません。プレゼントのように、相手の期待を想像しながら準備することで、プレゼンは本当に価値あるものになります。
プレゼンの準備を変える4つのステップ
プレゼンの準備は、「単なる資料作成」ではなく、「相手に価値を届けるもの」にすることが重要です。
そのための4ステップを紹介します。
プレゼン後に、聞き手にどんな行動をしてほしいか決める
まずは、プレゼンの目的を明確にします。
- 契約を成立させたい
- 承認を得たい
- 共感を得てチームを動かしたい
こうした目的が定まらないと、資料の方向性がブレてしまい、伝えたいメッセージがぼやけます。
聞き手が「最もほしい情報」を中心に構成する
聞き手にとって最適な情報を整理することが、伝わるプレゼンには不可欠です。
- 若手社員向けなら、専門的な内容は噛み砕いてわかりやすくする
- 経営層にプレゼンするなら、基礎知識よりも意思決定に必要な要素を含める
「何を話すか」ではなく、「誰に話すか」を意識することが大切です。
反応を想像しながら、丁寧に準備する
大事な人に渡すプレゼントは、適当に包装せず、綺麗に包んで渡しますよね。プレゼン資料も同じです。
- レイアウトが乱れている
- フォントが統一されていない
- 誤字脱字が多い
こうした点があると、「準備不足」という印象を与えてしまいます。心を込めて準備すれば、より伝わりやすくなります。
プレゼンの意図を丁寧に伝える
資料を作るだけで終わりではなく、「どのような考えで準備したのか」を伝えることも大事です。適当に並べたスライドではなく、「なぜこの構成なのか」を意識して説明することで、聞き手にとって理解しやすくなります。
語源から見るプレゼンとプレゼントの共通点
「プレゼンテーション(presentation)」と「プレゼント(present)」は、どちらもラテン語の「praesentare(差し出す、提示する)」に由来しているそうです。
つまり、
- プレゼンテーションは「情報を相手に差し出す、提示する」
- プレゼントは「ものを相手に差し出す、提示する」
どいうことであり、この語源を考えると、プレゼンの準備を「プレゼントの準備」と捉えることは、言葉の本質的な意味としても理にかなっているように感じます。
だからこそ、プレゼンの準備では聞き手を想像しながら、心を込めて作ることが大切なのです。
資料をただ並べるだけではなく、「受け取った人にとって価値があるか?」という視点を持つことで、より伝わるプレゼンになるはずです。
プレゼンを単なる「資料作成」にしないために
プレゼン準備に慣れてくると、つい「資料を作ること」が目的になりがちになり、つい自分だけの視点で資料を整えがちです。しかし、本来の目的は「聞き手の行動を引き出すこと」です。だからこそ、相手のことを考え、反応を想像しながら準備することが大切です。
私自身、ブログを書くときも、読者が「どんな行動をしてくれるだろうか?」と想像しながら記事を作っています。プレゼンも同じ視点で準備すれば、より聞き手に響くものになります。ぜひ、次のプレゼンでは「プレゼントを渡すように」準備してみてください!